寮長のまなざし:悩ましいスマホとのつきあい

公開:2025/4/22更新:2025/4/22

スマホが日常の一部となって久しいが、現代人のスマホの使い過ぎは度を過ぎていると思う。
だが、私は入寮式後のウエルカムイベントで、寮生全員に次のような話をした。

「皆さんがスマホに夢中になり、使いすぎてしまうのは正しい反応だ。人類は新しいものに好奇心を持つ脳を持ったから存続し続けている。だから、スマホに夢中になるのは脳にとっても正しい行動となる」

イベントでは、「だが、皆さんの先輩方で大学受験に失敗している人のほとんどが、スマホに時間を奪われてしまった人たちだった」と付け加えた。

今までは、スマホを諸悪の根源のように使わせない工夫をしてきたが、発想を変えてはどうだろうか。
スマホを使うことは正しいという前提で、どう付き合っていくかを工夫した方がいいのではないだろうか。兎角、禁止だ、駄目だと言われ、制限をされるほど、使いたい欲求はより高まってしまう。使うのは正しいが、どう付き合うかは、それぞれの生き方に関わってくる。スマホの携帯性の高さと情報収集力はこれまでのメディアでも群を抜いている。

人類がテレビを発明したときは、テレビを見すぎると馬鹿になるといわれ、TVゲームの登場でも同様に揶揄されが、今やテレビは市民権を得て、TVゲームはEスポーツとして競技の一つにもなっている。スマホも道具としての使い方がまだ成熟していないだけで、すでに欠かせない道具となっている。が、まだまだ自分にとっても試行錯誤の日々で、悩ましいスマホとのつきあいの日々が続いている。